「ネットネット株」とは?ベンジャミン・グレアム氏が提唱する資産価値評価の考え方&計算方法




前回記事では私の投資手法であるバリュー投資の基本的な考え方について書きました。

「バリュー投資」とは?資産バリューと収益バリューの基本について

この記事では以下のようなことを書きました。

・バリュー投資には収益バリューと資産バリューがある
・収益バリューを測るメジャーな指標はPER
・資産バリューを測るメジャーな指標はPBR
・PERもPBRも低い方が割安と評価

個人的にPER・PBRはシンプルだけど重要な指標だと考えており、実際に投資の参考にもしていますが、一方でPER・PBRだけでは投資判断は出来ないとも考えています。

それじゃあ実際にPER・PBR以外でどのように分析して投資判断をしているのか?という点について、本記事では「資産バリュー」面を中心にもう少し掘り下げて書いていきます。

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資産バリュー投資について

資産バリューとは「会社が持っている資産価値と比べ株価が安いと思えばその会社の株を買う」ことだと前回記事で書きました。

ここで言う資産とは具体的には企業の貸借対照表(=バランスシート。以下BSと記載)に載っている、資産(会社が持っている金・モノ等の財産)から負債(返済が必要な借金)を差し引いた純資産になります。

資産価値の評価指標としてPBR(時価総額÷純資産)がありますが、例えば同じ純資産「100億円」のA社・B社があるとして、、

A社・・・現金100億円、負債0円
B社・・・商品500億円、借金400億円

では資産価値は異なると考えます。
(A社は間違いなく100億の価値、B社は商品が余裕で売れるなら100億以上だけど不良在庫だったり、借金の返済期限が近かったりすると・・・)

そのため、仮にA社・B社が同じ時価総額「50億円」で、PBRが0.5倍(50億÷100億)だとしても、同じ評価をするのは適切ではありません。

ネットネット株について

PBR以外の資産価値評価における有名な考え方の一つに、ベンジャミングレアム氏が提唱したネットネット株があります。

■ネットネット株
→ 時価総額 < (正味流動資産 – 負債総額) × 66.7%

上記の「正味流動資産」は基本はBSの流動資産の部分ですが、実際は人によりアレンジしながら使われることが多いです。

例えば、以下のような調整をすることが多いです。

・流動資産の中でも商品(棚卸資産)は売れるか分からないので除外。
(もしくは価値を割り引く)
・逆に固定資産の中でも有価証券類は確実に価値があるので含める。
・土地も価値がありそうな土地であれば含める。

ネットネット株とは、要は「会社を買収&即清算したら、買収額以上が手元に残る→間違いなく資産価値が高い」銘柄であり、その基準をどこまで厳しくするか、またBS上のどの資産をどう評価するかは自分の好みや市況により調整するのが良いと思います。

ちなみに自分の場合は、大体以下のような基準で資産評価をしています。

流動資産
・現金・預金→100%
・売掛金・受取手形→90%~100%
・商品・製品→0%~30%
・投資・有価証券→70~100%
・貸倒引当金(他、マイナス評価資産)→100%(資産から引く)

固定資産
・土地→30%~100%以上
※所在と現在価値を調べて判断
・投資・有価証券→70%~100%

上記以外の資産は基本は0%。
但し、明らかに価値がありそうなものなら相応の評価。

負債
・原則全て100%(資産から引く)

純資産
・少数株主持分100%(資産から引く)

本記事のまとめ

本記事では、資産バリューの評価指標としてネットネット株について説明しました。
PBRと違って、確実に価値のある資産を見るため、ネットネット株として評価される銘柄であれば、資産価値はほぼ間違いなく問題なしです。

ただ、ネットネット株じゃなきゃ資産価値の評価がNGというわけでもないので、次回記事ではPBR・ネットネット以外のBSを見るポイントについて書いていこうと思います。
続きは以下記事になります。

投資家の財務分析【貸借対照表(B/S)】構造と勘定別の確認ポイント

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