2019年度1Q決算の業種別業績の傾向を分析します
昨日はざっくり決算公表企業全体の前年同期比業績を見ましたが、今回は業種別で業績傾向を見て行きます。
①2019年度1Q/業種別・前年同期比業績の傾向
直近1Qの業種別の売上・利益(経常利益)の増減の傾向です。
(例:2019年4月~6月と2018年4月~6月の業績を比較)
順位は増収増益の比率が高い順に付けています。
前年同期で一番良かったのが「電気・ガス」で、21社中16社が増収増益で減収減益は1社。
一番悪かったのが「非鉄金属」で、27社中2社が増収増益で17社が減収減益は17社。
②2018年度1Q/業種別・前年同期比業績の傾向
比較のため1年前(2018年度1Q時点)のデータを使って同様の集計を行います。
(例:2018年4月~6月と2017年4月~6月の業績を比較)
前回の記事で書いた通り、全体的な傾向として増収増益の数が多い。
また、今期と比べると上位の業種は結構差がある。
①②の比較
ということで、業種別の傾向を見るため、今期と前期の順位を比べてみた結果が以下。
右2列の順位から、前期・今期それぞれの業種の好不調の傾向を読み取れます。
【緑色】「その他金融」「情報通信」「陸運」「サービス」
緑色の「その他金融」「情報通信」「陸運」「サービス」は、前期・今期続けて1桁順位で、好調が続いている。
但し「その他金融」はリースや債務保証など外部環境に左右されやすい会社が多いことと、集計対象社数が少ないことからも、信頼しすぎるのは危ないかも。
「情報通信」が強いのは肌感覚とも合っていて、ここは当面は好調が続くと予想。
「陸運」も需要は強く基本的に強いと思われるが、燃料価格や人件費の影響が大きいため、会社毎の業績の上下ブレはあると予想。
【オレンジ色】「機械」「ガラス土石」「鉄鋼」「化学」
オレンジ色の「機械」「ガラス土石」「鉄鋼」「化学」は、前期好調から大幅に順位を下げた業種。
これらは景気に左右されやすいシクリカル業種であり、この辺が落ち込んでいるということは、やっぱり景気は減速傾向なのだと感じる。
「石油・石炭」は、前期1位から今期30位と大幅に順位を落としているけど、これは景気というよりは市況要因が大きく、若干毛色が異なると思われる。
一方、「電気・ガス」は前期27位から今期1位と大幅に上げているけど、「石油・石炭」業界のマイナスを、「電気・ガス」が美味しく頂いているんじゃないかなと。
【黄色】「不動産」「建設」
黄色の「不動産」「建設」はオレンジ同様シクリカルっぽい業種だけど、逆に順位は上げている。
ただ、この好調が続くか?と言われると、個社は兎も角業界全体ではそこまで継続性は無いんじゃないかなと。
①②の比較のまとめ
全体的にシクリカル系の業種が弱めの傾向にあり、景気は減速傾向っぽい。
現在好調なところも、好調が続きそうな所と上下にブレそうな所があるので、出来る限り好調が続きそうな業種の好調な企業に投資の比重を置いていきたい。
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