「バリュー投資」とは?資産バリューと収益バリューの基本について




この記事ではブログのタイトルにも使っており、私自身の投資手法としても取り入れているバリュー投資について、一般論&個人的な考えも含めて書いていきます。

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バリュー投資とは

バリュー投資を一言で言うと、

①現在の「企業の評価」が
②自分が考える「企業の価値」より
③割安な企業の株を買うこと

だと考えています。

①企業の評価について

①の企業の「評価」は現在の時価総額になります。

時価総額=株価×発行済み株式数

になり、要はいくら払えば会社を買収できるか、という金額になります。

例えば2018/4/20時点の小田原機器(7314)であれば、(株価)838円×(発行済み株式数)約300万株=(時価総額)25.8億円あれば、この会社を買収できる。ということになります。

②企業の価値について

②の企業の「価値」の考え方は色々ありますが、ここでは「収益面」「資産面」それぞれの金銭的な価値を指しており、本記事では、これらを「収益バリュー」「資産バリュー」と呼びます。

改めて言い直すと、

■「収益」バリュー投資
→会社の収益力(今後上げる利益)と比べ株価が安いと思えばその会社の株を買う

■「資産」バリュー投資
→会社が持っている資産価値と比べ株価が安いと思えばその会社の株を買う

に分類されます。

③割安な企業を買うこと

割安を評価するやり方は色々ありますが、一番メジャーなのはPERとPBRになります。

PER
=時価総額÷純利益
=株価÷1株純利益(EPS)

PBR
=時価総額÷純資産
=株価÷1株純資産(BPS)

言い換えると、
PERは「①会社の評価」÷「②会社の価値(収益バリュー)」
PBRは「①会社の評価」÷「②会社の価値(資産バリュー)」

になり、PERとPBRの数字が低い銘柄=割安な銘柄と評価することが出来ます。

PERの例

同じ株価1,000円のA社・B社があったとき(時価総額や他の条件も同じ)

A社はEPS「100円」
B社はEPS「50円」

であれば、
A社のPERは1,000÷100=10倍
B社のPERは1,000÷50=20倍

となり、理論上A社は10年で投資が回収可能。一方、B社は20年で投資が回収可能ということになり、他の条件が同じであれば10年で投資が回収できるA社の方がお買い得(割安)と評価することが出来ます。

※株価→時価総額、EPS→純利益と読み替えても結果は同じです。

PBRの例

PBRも同じような考え方、同じ株価1,000円のC社・D社があったとき(時価総額や他の条件も同じ)

C社はBPS「2,000円」
D社はBPS「500円」

であれば、
C社のPBRは1,000÷2,000=0.5倍
D社のPBRは1,000÷500=2倍

となり、理論上C社は資産価値2,000円の会社が1000円で買えるので(50%OFF)、資産価値だけ見てもお買い得。
D社は資産価値500円の会社に1,000円の値札が付いているので、資産価値だけでは買えず(資産価値の2倍)、株を買うためには他の魅力も必要、という評価になります。

※株価→時価総額、BPS→純資産と読み替えても結果は同じです。

本記事のまとめ

ということで、ここまでのまとめとしては以下のようになります。

・バリュー投資には収益バリューと資産バリューがある
・収益バリューを測るメジャーな指標はPER
・資産バリューを測るメジャーな指標はPBR
・PERもPBRも低い方が割安と評価

じゃあ、PER・PBRを低い銘柄を買えばよいか?というと、半分正解で半分は不正解だと考えます。

まず、PER・PBRが低いということは皆の評価が低い銘柄であり、不人気なのには何かしら理由があることが多いです。

また、PER・PBRはかなり単純化した指標なので、本当に収益・資産バリューがあるのかどうか?はもう少し突っ込んで確認するのが望ましいです。
例えば、PERは1年間の収益のみで評価するため、その年だけ偶然よく翌年以降収益が下がってしまえば、割安とは言えなくなってしまいます。

一方、低PBRは、不人気とはいえ現実問題として資産価値に対して株価が割安なのは間違いなく、よっぽどのことがなければ直ぐに資産価値が大幅に減ることは少ないです。

結果的に、資産価値が株価下げの歯止めになり、またきっかけがあれば見直される余地もあるため、負け辛いのは間違いないと考えます。

今回は、バリュー投資の概要とPER・PBRについて書きました。
続きは以下記事になります。

「ネットネット株」とは?ベンジャミン・グレアム氏が提唱する資産価値評価の考え方&計算方法

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